【座談会】ヤマハ株式会社・何木明男氏を囲んで

「ヤマハ・クラシックギターGC82C(2014)モニター懇談会”設計者に聞く”
日時:2016年4月3日
会場:東京音楽院Konservatorium Tokyo

参加者:何木明男(ヤマハ クラシックギター設計担当)、
熊谷俊之(ギタリスト、東京音楽院ギター科講師)
Florian Palier(ギタリスト)
飯田敏史(ギタリスト)
稲田俊介(ピアニスト、東京音楽院ディレクター)

熊谷:モニターとしてお借りしたギターを本日のコンサートで使用しました。感想はいかがでしたか。

何木: まずはギターデュオとして非常に貴重なものを見れました。日本人と海外の方のデュオでの演奏を聴く機会は大変少ないです。もちろん、演奏も素晴らしかった。
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熊谷:ありがとうございます。ギターについてですが、何か感じることはありましたか?

何木:今日の時点ではまだ「生の音」だと感じます。しばらく弾き込まれていないからでしょう。1年くらい誰かの手で弾かれる機会があれば、かなり変わってくるものです。このギターは、直近だとヤマハホールで演奏したGFA優勝者のエカチャイ(タイ)に使用されました。それ以来しばらく眠っていた状態です。

飯田:ヤマハの最上位モデルは東京国際ギターコンクールの優勝者の演奏で使用されてきましたね。エカチャイ以前も同様のギターを使用されてきたのでしょうか。

何木:サネル・レドジッチ(ボスニア)までは杉のギターを使用することが多かったと思います。それ以前だとマルコ・デル・グレコ(イタリア)が松の楽器を使用していましたね。

熊谷:楽器製作に関して、ヤマハが求めているのはどのような楽器なのでしょうか。

何木:基本としているのはサントス・エルナンデス、ハウザーを中心としたトーレスを軸にしたモデル、また杉のモデルはマヌエル・ラミレスの音を軸にして製作しています。

飯田:一つのモデル、ではなく、杉と松で2つのモデルを作り分けてきたのですね。

何木:そうですね。しかし時代の変遷か初期の時代を支えた職人がすでに五十代に差し掛かっています。世代交代の時期ではありますが、技能伝承はYAMAHAでも重要な課題になっています。

飯田:何木さんは設計者として長年関わってこられたとのことですが、設計の視点からしても製作現場の変化は影響が感じられるのでしょうか。

何木:ヤマハにはクラシックギターを作る前から木工、塗装の熟練した経験を持っている職人達がいます。設計した者が高品質の製品として出来上がるまでには熟練した職人の技術は不可欠です。作業の音への影響をみつけるのは主に設計者の仕事になります。それを熟練した職人の作業に反映させて音を改善していきます。

熊谷:それが今後は若い世代に切り替わるということですね。

何木:そうです。経験があるとないとでは製品の質が変わってしまいます。経験による誤差の修正、とでも言うのでしょうか。大学や専門学校を出て就職する人たちには、「職人」としての経験を引き継ぐ必要があります。しかし同じ設計でも、作る人によって大きく変わってしまうのですから、 それは簡単な事ではないのです。

熊谷:伝統を伝える難しさ、とも言えるでしょうか。会社として製品を作るという性質もあって、重要な課題ですね。

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熊谷:設計の観点から、今までにヤマハ独自のクラシックギターのアイデアといえば何がありますか。

何木:それはもう、サイレントギターです。

熊谷:あれは世界的なヒット作ですよね。

何木:もともと社内公募で作られたものでした。アイデアを出した当初は絶対売れないと思っていました(笑)。基本的にはクラシックギターの製作技術の応用ですから、製作技術の賜物だったかもしれません。

熊谷:ギタリストの間でも重宝されているものだと思います。確か、Florianも持っているよね?

Florian:ああ、1台持っていて、家で使っているよ、あれのおかげでうちの隣に住んでる人が喜んでる(笑)

熊谷:ギタリストの隣に住んでいる人皆が喜ぶ発明だったと言えますね(笑)

何木:サイレントギターは「1億ギタリスト計画」とも呼ばれるアイデアの一つでね、各家庭で皆がギターを弾けるようになる事を意識して、作られたんですよ。

熊谷:それは凄いですね。裾の尾を広げる活動として、かなり重要な役割を担っていると思います。

飯田:ギタリストの間でも著名な演奏家がステージの上で、アンプに繋いで使用している例もありますね。

何木:アンプにつなぐという点では、生音では広げられない部分があるとも言えます。

飯田:しかし、生音の情報量はアンプに通す事で当然減少してしまいますよね。

何木:そうですね、ギタリストの意見を聞くと、やはり生音主義の方が多いようです。

熊谷:生音に近いアンプができれば世界的なヒットになると思います。ギタリストは皆熱望しています。

稲田:ギターに限らず、アコースティックな楽器を弾く人たちは皆熱望しているでしょうね。

何木:しかし人は皆それぞれでしてね、アンプの音でも演奏が良くて感動する人もいるんですよ。生音じゃないと感動しない人もいます。人の違いなんです。一つの視野を絶対的なものと考えずに、どちらの分野にもアプローチする価値はあると思います。

熊谷:そういえばギタリストは音源を聞く時、ほとんど良いオーディオ機器を持っていないですね。私はまだ日本に帰ってきたばかりなので、音源をパソコンや携帯のスピーカーで聴いています(笑)

ウィーン時代にすこしだけ良いのがありましたが、知り合いに売ってきた。(笑)

稲田:音楽家自身は生音が絶対的に良い事が分かっているので、オーディオに投資していないのでしょうね。

熊谷:しかし、Youtubeで演奏を聴いても個性のある演奏って、すぐ分かりますよね。あ、誰の演奏だなって。そしてYoutubeでもいいなと思える演奏はある。

何木:確かにそうですね。それはアンプに通した音の世界と同じ事が言えますね。

熊谷:つまるところ、音楽の感動は必ずしも音量ではないと思うのです。例えばリュートのコンサートは音量は小さいのですが、それはそういうものだから気にならない。

飯田:しかし、ギターには音量が必要に感じる人がいる。

熊谷:ギタリスト自身も感じる事がある。でもこれは不思議な事です。車で言えば軽自動車がトラックの馬力に勝とうとしているようなもので、そもそも素材も目的も違うのです。しかし、大きな音が出る楽器が、大きな音を出す演奏が良いという意見が、なぜかチラホラと見受けられるわけです。

何木:ギターの良さって、「聞こうとする」事なのではないかと思います。会場にいる人全員で作り出す音楽、とも言えるかもしれません。「聞こうとする」音楽は「聞こえてくる」音楽とは別の捉え方をした方が、豊かに味わえるでしょうね。
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世界的ヒット商品”サイレント楽器の産みの父”としても有名な何木氏(ヤマハ株式会社)を囲んで、3名のギタリストが積極的に意見交換をしました。
演奏者と製作者、それぞれ立場は違えど目指すものは一緒であることが
再確認できる座談会となりました。

【コンサートレポート】砂村友希さんpf, 山下アンナさんvl

2016年4月3日(日)東京中野区にあるミュージション野方にて
現在ウィーンより帰国中のヴァイオリニスト山下アンナさんと
東京音楽院ピアノ科講師砂村友希さんによる
ヴァイオリンとピアノのサロンコンサートが行われました。

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【出演者】
砂村友希さん pf
山下アンナさん vl

【プログラム】
バッハ イタリア協奏曲
シューマン ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第一番
クライスラー 前奏曲とアレグロ
パガニーニ カンタービレ
ショパン スケルツォ第2番
リスト  愛の夢
サンサーンス イザイ編曲 ワルツカプリス Op.52-6

【出演者プロフィール】

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【山下アンナさん】
愛知県出身。特別奨学金奨学生として尚美学園大学に入学。
同大学を首席で卒業。その後ウィーンへ留学。
現在はウィーン私立音楽大学大学院に在学中。2015年からウィーン交響楽団
の公演にエキストラとして出演。
学生音コンなどコンクールにも多数入賞。

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【砂村友希さん】
宮城県出身。14歳でウィーンへ留学。ウィーン国立音楽大学
予科に入学し、同大学演奏科コース、大学院を経て、現在は同大学研究科に在籍中。
アマルフィ―国際音楽コンクール3位入賞など
多数の国際コンクールに優勝または入選。オーストリアのみならず、ドイツ
フランス、フィンランドなど各地で演奏活動を行っています。
東京音楽院Konservatorium Tokyoピアノ科講師。
(詳細はこちら)
http://www.kons-tokyo.com/teachers/

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【演奏について】

プログラムの中でも特筆すべきは、シューマンのヴァイオリンソナタ第一番。
この曲はピアニスト泣かせとも言うべき高度な演奏テクニックと
アンサンブルテクニックを要します。
演奏テクニックとは、まさしく演奏技術のことを意味しますが
この曲は、慣れないリズム、弾きづらく速いパッセージなど
演奏者にとって不安定要素満載の難曲にも関わらず、砂村さんは
見事にそれらの要素を克服し、聴き手に一切の不安感を持たせない
見事な伴奏でした。

一方、山下さんのヴァイオリンは、精練で心地よい音色、
決して無理に情に訴えようとしない旋律は、
とても好感が持てました。
おそらくウィーン交響楽団という世界有数のオーケストラで
吸収した音楽的気品が背景にあるのかもしれません。

この曲はシューマンの精神状態が徐々に悪くなり始めた
ちょうどその時に書き上げられました。
個人的な意見ですが、特に3楽章を初めて聴いた時に
真っ先にシューマンの精神状態とこの曲の
書かれた時期の関連性について思いました。

他のヴァイオリンソナタとはまた一味違った名曲です。

【コンサートレポート】梯剛之さん 高槻市、芦屋市

2016年3月20日高槻市摂津響saal、21日芦屋市The Music Center Japanにて
ソロリサイタルが行われました。プログラムは以下の通りです。
(高槻、芦屋ともに同じ)

【プログラム】

・モーツァルト サルティの主題による変奏曲 K460
・ショパン 幻想即興曲
・ショパン 子犬のワルツ
・シューベルト 楽興の時 第3番
休憩
・ベルク ピアノソナタ第1番
・ベートーヴェン ピアノソナタ 第31番 作品110 As-Dur

高槻市の摂津響Saalは、芥川上流に広がる「摂津峡」の入り口に
位置し、緑豊かなところです。
恐らく摂津響Saalの響は峡にかけたのでしょう。

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(リハーサル中の梯剛之さん)
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【JAZZ】野瀬栄進さん インタビュー from N.Y

先日、当ブログにてJAZZピアニストの野瀬栄進さんをご紹介させて頂きましたが
今回は、数日前にニューヨークに戻られた野瀬さんに、現地の写真と共に、音楽、ニューヨークなど様々なことをインタビュー形式でお伺いしました。

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♯1 近所の散歩道

インタビュアー(こちらはどういう写真ですか?)

野瀬-お気に入りの散歩道です。天気が良いとよくここを散歩します。

ニューヨークは都会ですが、緑が豊富でセントラルパークやリバーサイドパークなどは、天気が良いと大勢の人が集まってきて、バーベキューや日光浴など、みんな思い思いに過ごしています。

(映画で見るとの同じですね。野瀬さんの日常についてお伺いします。
普段中々お聞きできないプライベートのことをいきなり質問させてください。
いつも何時ころ起きていますか?)

-ばらばらです。9,10時くらいかな。ジャズミュージシャンの中では早い方です。

(やはり音楽家は朝が遅いのですね。ちなみに料理はされますか?)

-料理は適当にしますよ。和食中心ですが。

(ニューヨーカーと言うと、スタンドでホットドッグか、カフェで朝から良い年したおじさんが甘そうなパンケーキを食べているイメージがありますが・・・)

-映画の見過ぎです。笑 あんまりジャンクは食べないようにしています。

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♯2 部屋からの景色

(目の前にあるのは果物屋ですか?)

-はい、そうです。

(果物の陳列の仕方が欧米風でおしゃれですね。話変わって、お部屋にあるピアノは
どんなピアノですか?)

-ニューヨークスタンウェイのアップライトです。

(それはインスピレーションも高まりますね。初歩的な質問なのですが
ジャズピアニストは普段どのくらい練習をするのでしょうか?)

-その時にもよりますが、2時間ちょっととあとは作曲に時間を当てています。
ライブやレコーディング前はもっと弾きますが・・・

(テクニックのための練習曲とか弾いたりしますか?)

-たまにクラシックのエチュードを弾いたりしますが、あまりやらないです。

(オリジナル曲中心の練習でしょうか?)

- いまはそうですね。あとは、例えば、他のアーティストが弾いたのをコピーして
一緒に弾いてみたり分析したり、アドリブを練習してみたり、曲を覚えたり
和音やスケールを確かめたり発見したり、フリーで即興してみたり
一つのコード/モード、でいろいろなスケールや和音で弾いてみたりとか、色々
あります。あとは、基本的なコード進行の2-5-1を全部のキーで同じフレージ弾いてみたり、それを曲に応用してみたり。あとはリズムの練習もしています。

(すごく興味深いです。今度いつか解説付きの公開練習を開いてください。
このブログをご覧の方の多くはクラシック関係者だと思いますが、クラシックの
人はアドリブがあまり、というかほとんどできません。ただ、練習することは
慣れているので方法さえわかればみんなやると思います。)


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♯ 3     German Diez

(野瀬さんの師匠?)

-そうです。でもジャズではなく、クラシックの先生です。
 この方に、ピアノの演奏方法を教わりました。体の使い方など。
 演奏技術はクラシックで学びました。

(クラシックで鍛えられた確かな技術の上に、野瀬ワールドが
奏でられているですね。ところで、野瀬さんは数々のオリジナル曲を書いていますが 作曲について少しお話をお聞かせください。ものすごく単純な質問ですが、どういう時に作曲ってするものなのでしょうか?)

- ふとした時が多いです。するぞーっと意気込んですることはないのですが。
    でも、そろそろこの時間は作曲の時間、って決めてもいいかな、と思ってます。

(そろそろとは?)

- 思いついた時だけじゃなくて、とにかく座って、作曲時間みたいな時をもうける
ということなんですが、今ちょっとだけシンフォニーのアレンジをしはじめて
いて、
それには大量の時間を必要とするので、そういうアレンジや楽譜に
書いたりする作業というのはまた別物というか・・・

ニューヨークにいるときは、作曲したものを清書する事も多くて。
今朝も楽譜書いてました。作曲する、、、という作業の範囲がインスピレーション
の瞬間だけじゃなくて、そのあとが僕の場合時間がかかるので・・・。
あと偶然なんですが、ちょうどいま
International songwriting  competition2016に自分の楽曲を応募していて、
2曲がファイナルに選ばれました。
http://songwritingcompetition.com/winners
これ、ネットから一般投票も出来るので、みなさん是非投票お願いします!
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※投票方法
まずはFacebookページに行き「いいね!」を押します。
https://www.facebook.com/InternationalSongwritingCompetition?__mref=message_bubble

次に、こちらのサイトに行き、JAZZとInstrumentalのカテゴリーから
Eishin Noseを選んで投票をお願いします。視聴もできます。
http://www.radioairplay.com/voting
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(思いがけないサプライズなニュースですね。是非優勝してほしいですね。
ところで、前回ブログでご紹介させて頂いた「KUBA」ですが
あの曲はどのように誕生したのですか?)

-KUBAは2001年にキューバに行ってNY戻った時に書きました。
    なんかたしかテレビ見ながら、みたいな。

(みたいな・・・。)

-望郷の念、というかキューバと僕が生まれ故郷北海道をリンクした
イメージだったと思います。

(それでNIKONのPVのロケ地が小樽だったのですね。)

-一瞬で書き終えたのですが、自分としてはこんなポップな恥ずかしい曲、、
と思ってLIVEで演奏するまで時間がかかりました。

(確かにメロディーがしっかりしていて、ポップ的と言われればそうかも
しれませんが、ライトなジャズファンにはとても耳に残り、心地よいです。
ちなみにこの曲は4月8日のLIVEで演奏して頂けるのでしょうか?)

-この流れだとするしかないですね

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♯4 N.Yのジャズライブ

(いつか一度は行ってみたい、誰もが憧れる本場ニューヨークの
ジャズクラブですが、今なお沢山あるのでしょうか?)

-沢山ありますが、老舗はここだけになりました
ちなみにこちらはVillage Vanguardです。
 William John Evansのライブ盤もここで収録しました。

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-そしてこれはN.Yでの自分のLIVEの様子。
ニューヨークトリオinside out dreamというアルバムのメンバーです。
日本ではTHE GATEというユニットで武石聡さんとのパーカションユニットで5年前から活動して毎年LIVEを行っています。

(ジャズの本場New Yorkで聴く野瀬さんの演奏もまた一味違うのでしょうね。
それでは今後の予定についてお聞かせください)

5月に日本で全国ソロツアーをします。
5/29に小樽マリンホールでニューヨークからもってきた1912年製のニューヨークスタインウェイでソロピアノコンサート、公開録音コンサートをします。
秋にはピアノとパーカッションのユニットTHE GATEツアーを予定しており、11/9道新ホール、11/12恵比寿ガーデンプレスにて演奏予定です。
恵比寿ガーデンプレイスはピアノがないのですが、高木クラヴィアさんから素晴らしいピアノをお貸しいただく予定です。

6〜9、あとは年末年始は、ニューヨークにいる予定で、その間にシンフォニーを書いているのを形にして、音として出してみたい、と思っております。その他ジャズトリオの録音なんかも考えております。
以前サロンで弾いたときにアルバムにもなった、僕が一番気に入っているF1というニックネームのニューヨークスタインウェイのコンサートグランドを借りれたら最高だな、、と思っております。がまだ未定です。

(今年もお忙しそうですね。ちなみに4月8日@東京音楽院LIVEは、
まだお席に余裕がございます。お申込みお待ちしております野瀬さん、
今日はN.Yからありがとうございました。4月8日はよろしくお願いします)

-8日楽しみにしてます。打ち上げも 笑

スライド1日時:2016年4月8日(金) 20:00~
場所:東京音楽院Konservatorium Tokyo
新宿5丁目11-20-202
新宿三丁目駅E2出口徒歩3分
チケット:3,500円(ワンドリンク付き)
お問合せ&お申込み
info@kons-tokyo.com
090-6448-9324

 

【その他のLIVEのお知らせ】

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【コンサート情報】ヴァイオリニスト伝田正秀さん 

東京音楽院Konservatorium Tokyoヴァイオリン科講師、
伝田正秀先生(読響アシスタントコンサートマスター)が
出演するコンサートのご案内です。

4月10日伝田正秀コンサート
(PDFは下記をクリック)
4月10日コンサートチラシ

4月10日(14時開演)ベーゼンドルファー東京展示サロンにて行われます。
演目は、クライスラー、ブルッフ、サラサーテの商品集など。

伴奏は、昨年行われたロン=ティボー国際コンクールで見事3位に入賞した
新進気鋭のピアニスト實川風(じつかわ かおる)さん。
實川さんのソロ演奏もあり、魅力満点な内容です。

ピアノはもちろんベーゼンドルファー。
ベーゼンドルファーはオーストリアが生んだ
老舗ピアノメーカー。

そのクオリティーはピアノの王様『スタンウェイ』と
同等の評価を受けています。

日本の若手音楽界をけん引する
二人の熱演にご期待下さい。

チケットお問い合わせはこちら。(限定30名)
ベーゼンドルファー東京 03-5581-5189

子どもに伝えるクラシック in 沖縄

2016年3月10日(木)沖縄市立比屋根小学校、3月15日(火)沖縄市立見里中学校
にて、梯剛之さんの学校訪問コンサートが行われました。
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これは、梯剛之さんが2013年に立ち上げた団体「子どもに伝えるクラシック」と
沖縄市文化観光課のタイアップで実現しました。

※子どもに伝えるクラシックは、梯剛之さんが自身の演奏を通じ、
日本国内外の子どもたちにクラシック音楽の素晴らしさを伝え、こころ豊かに
育って欲しいと希う強い気持ちから設立した非営利活動任意団体です。
【公式Web】
www.classic-for-children.org
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(リハーサル中の梯さん、美里中学校体育館)

比屋根小学校 対象 全校生徒 約750名
美里中学校 対象 1,2年生+保護者 約600名

【演奏曲目】

子犬のワルツ(ショパン)
幻想即興曲(同上)
楽興の時第3番(シューベルト)
トルコ行進曲(モーツァルト)
※美里中学校では全楽章を演奏しました。

プログラムは耳なじみの曲を揃え、子どもたちも普段中々聴くことの少ない
生の音に耳を傾けていました。
比屋根小学校では、梯さんの伴奏で全校合唱「ビリーブ」を歌いました。

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(比屋根小学校の様子)

梯さんへの質問コーナーでは、

「目が見えないのにどうやって練習するのですか?」
「ピアノが嫌になったことはないですか?」
「何か壁にあたったときに乗り越えるにはどうしたらいいですか?」

などの質問があり、梯さんが丁寧に答えていました。

最後に児童代表の6年生から
「卒業を前に梯さんの演奏を聞けて良い思い出になりました。
また、比屋根小学校のみんなもこれから頑張って行けると思います。
ありがとうござました!」
と、お礼の挨拶がありました。

~子どもに伝えるクラシックの今後の予定~
2016年は、東京都練馬区、群馬県安中市、山形県米沢市などでの
学校訪問コンサートが予定されております。

~子どもに伝えるクラシックのこれまでの歩み~

前身は梯剛之の願いから発足した「子供に伝えるクラシックDVD制作委員会」
プロジェクト(2005年10月~2013年3月)で、各界からのご協力をいただき、
梯剛之自身の演奏と語りによる楽曲と作曲家を紹介するDVDを制作、日本全国の
小学校および特別学校24,000校に無償配布をした団体です。制作委員会は既に目的を達し2013年に解散しましたが、同年、制作委員会の残金・物品(DVD、書籍他)を引き継ぎ、“子どもに伝えるクラシック”を設立、形を変え活動を継承しました。

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【コンサートのお知らせ】

日本とアメリカで活躍中のジャズピアニスト野瀬栄進さん(N.Y在住)が
2016年4月8日東京音楽院で演奏します。

(NIKON新作モデル/野瀬栄進ショートドキュメンタリー。監督:宮本敬文氏)

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2016年4月8日(金)19:30開場 20:00開演
チケット3,500円(グラスワイン一杯付き)
お問合せはinfo@kons-tokyo.comまたは090-6448-9324
(限定16名)※先着順
場所:東京音楽院 Konservatorium Tokyo

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18歳で渡米し、
ジャズの本場New Yorkで研鑽を積んだ。
アメリカの音楽評論家・エドワード・ブランコ氏
『伝統的なジャズのイディオムを超えたより自由な即興芸術を目指すアーティスト』

音楽評論家・悠 雅彦氏
『ピアニスト及び演奏表現者として、ちょうど画家がキャンバスにデッサンを書き上げて行くように、自由な創造的精神で音楽世界を構築した。』

2011年札幌コンサートホールkitara大ホールにて、札幌交響楽団と
「ラプソディー イン ブルー」を共演。以降2度札響と共演している。

演奏活動の傍ら、作曲家として映画や番組に楽曲を提供している。

宮本敬文監督による、NIKON新作カメラの被写体モデルとして出演。
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来週、N.Yから野瀬さんが当ブログに登場します。

N.Yのこと

音楽のこと

現地の生活のこと

ライブのこと

色々なことを聞いてみたいと思います。

お楽しみに。

【コンサートレポート】梯剛之さん ショパン・ピアノ協奏曲第一番

2016年3月5日(土)、上野・東京文化会館小ホール(約600名収容)で行われた
弦楽合奏団アカンサスⅡのコンサートに、梯剛之さんがソリストとして
出演しました。演奏曲目はショパンピアノ協奏曲1番。
開場前から多くのお客さんが列をなし、注目の高さがうかがえました。

IMG_3133(肖像権の関係で、画質は落としてあります)
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【コンサートレポート】ピアニスト山口友由実さん ~ウィーン便り Vol.2~

洗礼式でオルガン演奏!
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こんにちは、山口友由実です。

バドゥラ家でのハウスコンサート翌日は、ウィーンで最も古い歴史を持つ教会の
ひとつ、ペーター教会で行われた洗礼式でオルガンを演奏させていただきました。
私自身洗礼式への参加は初めてで、本当にこういう文化があるのだなと、
感動のひとときでした。神父さんもとてもお優しく、滞りなく式が終わり、
ホッとしました。
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Peterskirche_Vienna_October_2007i≪ペーター教会の日本語解説はこちら≫
http://www.peterskirche.at/fileadmin/pdf/tourismusinfo/japanisch.pdf

知り合いのベトナム人の方のお子さまの洗礼式で、これまた前田朋子さん、そして
ソプラノの松尾有芙子さんとの演奏で、皆さんとても喜んでくださいました。
Peterskirche,Wien,Altar

教会でのオルガン演奏も実は初めてでしたが、素晴らしい響きで私も得難い経験
をさせていただきました。

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終わった後は、ベトナム料理をふるまってくださり、とても心温まる一日でした!

セリーヌ&ライアンちゃん、素敵な人生を送れますように…♪

 

山口友由実

ノルウェーの地域音楽家支援制度について

今日は、ノルウェーの地域音楽家支援制度のお話をしたいと思います。
突然なぜノルウェーなのか?と思われる方もいらっしゃると思いますので
簡単に経緯を説明したいと思います。

先日、元日本コロムビア役員(現一般社団法人日本オーディオ協会諮問委員)で
世界で初めてデジタル録音を行った穴澤健明さんとお会いし、録音のことから
楽器のことまで幅広い内容のお話をお伺いする機会を得ました。
現役時代は、欧州の主要ホールで著名アーティストのデジタル録音を多数行ったそうです。

≪穴澤さんについてはこちら≫
http://pr.denon.com/jp/Denon/Lists/Posts/Post.aspx?ID=259

どのお話も大変興味深かったのですが、中でも特に印象に残った
お話しということで、ノルウェーの地域音楽家支援制度をご紹介させて頂きたいと
思います。当ブログの読者には音楽家も多数いらっしゃいますので、是非最後まで
お読みいただければ幸いです。

まず、ノルウェーと聞いて思い出すのが、ベルゲン出身の作曲家エドワルド=
グリーグです。Leipzig音楽院で学びその後コペンハーゲン、オスロ、ベルゲンで
活躍したロマン派時代の作曲家です。ノルウェーには複数の音楽大学がありますが
国立音楽大学はオスロのみで、グリーグの生まれ故郷であるベルゲンには
ベルゲン大学などの一般大学の一部としてグリーグアカデミーがあります。

そんなノルウェーに、今欧米の音楽家の注目を集め、オーディションに殺到するという話題の地域音楽家支援制度があります。どのような制度かと言いますと・・・・
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≪概要≫

過疎地域で音楽を啓蒙し、同時に音楽を若い人たちに教え、大きな都市やより
人口密度の多い地域の子どもたちと同等の音楽的な環境や可能性を確保しようという
考えに基づいて作られた支援制度。

(1)彼らは何をするのか

地域音楽家は、その50%を音楽教育に当て、50%を演奏活動に当てる。
これにより彼らは、地域での音楽学校や高校の音楽の教師、指導員を
務めつつ、コンサート、音楽プロジェクト、学校、幼稚園、教会でのコンサートや
ツアーなどの地域での音楽シーンに貢献できる。彼らは、フェスティバル、コーラス、ブラスバンド、アンサンブル、オーケストラ、その他音楽グループなどの地域の音楽シーンでしばしば共同作業を行い、彼らは地域オペラシリーズ、室内楽フェスティバルでも中核の演奏家となっている。

(2)彼らとは誰なのか

ノルウェーのある県では、15人の地域音楽家が採用されており、この15名は、
3つの基礎自治体に分かれている。

A地域6名・・・女声、ヴァイオリン、ギター、トランペット、フルート、ピアノ
B地域5名・・・女声、トランペット、ヴァイオリン、チェロ、パーカッション
C地域4名・・・男声、トロンボーン、チェロ、ピアノ

どの地域も面接とともに、室内楽演奏、ソロ演奏、子どもの音楽会を含む
オーディションに受からなければいけない。
当然のことながら音楽家のクオリティーは保証されている。

(3)ファンディングとファイナンス

彼らの費用は県が演奏部分の50%(全体の25パーセント)を負担する。
残りの50%の演奏部分は、音楽指導教育部分と共に属する基礎自治体が負担する
(全体の75%)県は支援の見返りとして期当たり一人10日間保持することができ
地域の音楽グループ、アンサンブル、バンド、劇場は、この期間彼らのプロジェクトや演奏会での演奏者として活用できる。その地域のプロジェクトであることが唯一の条件となっている。

地域音楽家は、このような形で県の自治体に集められ、レベルの高い広い領域で
のコンサートや演奏に寄与する。その上、それぞれの基礎自治体は、地域の音楽家
による演奏会やその演奏曲目を提供することになる。

ノルウェーのある県では地域音楽家制度が定着してから、音楽家たちは全世代の
ために広範囲なレパートリーを手に入れる努力をし、さらなるレベルアップを目指している。
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上記が、ノルウェーの地域音楽家支援制度です。

目に見えない音楽を目に見える形で人々に提供する。
その目的は、地域間に生じる格差に捉われることなく、
国の未来を創る子どもたちの教育に貢献すること。

このような制度が生まれた背景には
ノルウェーと言う国が長い間育んできた音楽への理解度が
深く関係していると思います。ですから、今すぐ日本にも、
などと言うのは無理があります。
無理があるのは重々承知ですが、思わないと実現しませんし
そうなるよう少しずつ努力していきたいですね。

穴澤さん、興味深いお話をありがとうございました。