【コンサートレポート】砂村友希さんpf, 山下アンナさんvl

2016年4月3日(日)東京中野区にあるミュージション野方にて
現在ウィーンより帰国中のヴァイオリニスト山下アンナさんと
東京音楽院ピアノ科講師砂村友希さんによる
ヴァイオリンとピアノのサロンコンサートが行われました。

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【出演者】
砂村友希さん pf
山下アンナさん vl

【プログラム】
バッハ イタリア協奏曲
シューマン ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第一番
クライスラー 前奏曲とアレグロ
パガニーニ カンタービレ
ショパン スケルツォ第2番
リスト  愛の夢
サンサーンス イザイ編曲 ワルツカプリス Op.52-6

【出演者プロフィール】

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【山下アンナさん】
愛知県出身。特別奨学金奨学生として尚美学園大学に入学。
同大学を首席で卒業。その後ウィーンへ留学。
現在はウィーン私立音楽大学大学院に在学中。2015年からウィーン交響楽団
の公演にエキストラとして出演。
学生音コンなどコンクールにも多数入賞。

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【砂村友希さん】
宮城県出身。14歳でウィーンへ留学。ウィーン国立音楽大学
予科に入学し、同大学演奏科コース、大学院を経て、現在は同大学研究科に在籍中。
アマルフィ―国際音楽コンクール3位入賞など
多数の国際コンクールに優勝または入選。オーストリアのみならず、ドイツ
フランス、フィンランドなど各地で演奏活動を行っています。
東京音楽院Konservatorium Tokyoピアノ科講師。
(詳細はこちら)
http://www.kons-tokyo.com/teachers/

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【演奏について】

プログラムの中でも特筆すべきは、シューマンのヴァイオリンソナタ第一番。
この曲はピアニスト泣かせとも言うべき高度な演奏テクニックと
アンサンブルテクニックを要します。
演奏テクニックとは、まさしく演奏技術のことを意味しますが
この曲は、慣れないリズム、弾きづらく速いパッセージなど
演奏者にとって不安定要素満載の難曲にも関わらず、砂村さんは
見事にそれらの要素を克服し、聴き手に一切の不安感を持たせない
見事な伴奏でした。

一方、山下さんのヴァイオリンは、精練で心地よい音色、
決して無理に情に訴えようとしない旋律は、
とても好感が持てました。
おそらくウィーン交響楽団という世界有数のオーケストラで
吸収した音楽的気品が背景にあるのかもしれません。

この曲はシューマンの精神状態が徐々に悪くなり始めた
ちょうどその時に書き上げられました。
個人的な意見ですが、特に3楽章を初めて聴いた時に
真っ先にシューマンの精神状態とこの曲の
書かれた時期の関連性について思いました。

他のヴァイオリンソナタとはまた一味違った名曲です。